純粋だから、分かち合える傷がある。
彼はなぜ傷を癒し続けるのだろうか?
寂れた街のアメリカンダイナーで出会ったアサトとタケオ。
タケオがアサトの秘密を知ったときから、友情は始まった……。
街の工場で働いているタケオ(玉木宏)は、街にやってきたばかりの少年、アサト(小池徹平)と出会う。ある日、タケオは、アサトがテーブルのビンを手も触れずに引き寄せるのを目撃し、興味を持って声をかける。
「この間のアレ、どうやったんだ?」
街にアサトを連れ出すタケオ。そのときチンピラに絡まれたアサトをタケオが救い、傷を負う。アサトがタケオの手をとると、不思議なことが起こる。タケオの傷がアサトに移動したのだ。
「傷の深さも痛みも半分ずつ」
「二人で割ってはんぶんこだね」
「涙ではなく、笑顔を見たいんだ」
顔立ちがどこか幼く、性格も内気なアサト。夢も希望もなく、荒んだ生活を送っているタケオ。共通点のない2人だったが、アサトの秘密を知ったその日以来、友情を深めていく。
その後ダイナーで働く、顔に傷を負った女性シホ(栗山千明)と仲良くなり、3人で笑い合う日々が続いた。だが、アサトとタケオ、それぞれが抱える心の傷と向き合う瞬間が訪れ……。 |