お蕎麦の麺作りにおいて、製麺工場に依頼する飲食店も多いなか橋倉屋さんは近隣の農家と契約し蕎麦の種蒔きからこだわっているおそば屋さん。実はご主人、お店を出す前は製麺のお仕事を4年以上経験しており、多くの顧客から「これだけの質の高い麺を作るんだったら、お店出せばいいのに。」との声も多かったらしく、地域のお蕎麦好きの人には待望の開店となったようです。
西本 たいへん木の香りが心地いい趣のあるお店ですね。こちらの橋倉屋さんは地域でも評判のお蕎麦屋さんということで、始められたのはいつからになりますか?
山口 2009年の1月に開店しました。
西本 お蕎麦屋さんをお仕事として選ばれたきっかけとは何だったのでしょう?
山口 昔から食べることは好きだったのですが、それ以上に食べ物を作ることが好きだったんですね。都会のお家ではあまり経験の無いことかもしれませんが、田舎では自分達で食べるお蕎麦をその家々で作るところも少なくないんです。それから、蕎麦作りに興味を持ち出して、調理学校を出た後は他の蕎麦屋さんで修行して、晴れて独立して自分のお店を持つことができました。
西本 物心ついた頃から、お蕎麦に強く興味を持たれていたと?
山口 いいえ、はじめはそれほど執着があったわけではなかったんです。ただ、皆同じだと思いますけど初めからうまく蕎麦が打てるはずもなく、1回目よりは2回目、2回目よりは3回目と、より上手く作りたいと思うと同時に面白くなってきたんですよね。
西本 では、自分のお店を持ったということは、ご主人自身が満足のいくお蕎麦を作れるようになったわけですよね。
山口 もちろん、お客様には中途半端なお蕎麦は出せませんから毎日の蕎麦作りには全身全霊を込めて作らせていただいています。それでもやっぱり気温や湿度の違いでできあがる蕎麦にも影響しますから、なかなか毎日100%同じ状態の蕎麦を作るのは難しいですね。やっぱり奥は深いですよ。そういった意味では未だに修行中といえるかもしれませんが。
西本 ご主人はこのお蕎麦屋さんを始める前はどのようなお仕事を?
山口 これの前は製麺の仕事をしていました。できあがった麺を直売所で売るのですが、それを4年ほど。やっているうちに、作った麺を買ってくれる常連の方たちから「お店もやればいいのに」というお言葉を多くいただくようになって、自分自身でもやってみたくなったんです。
西本 実際、ご自分のお店を開いてみて反響のほどはいかがですか?
山口 この周辺の地域には蕎麦屋さんがほかにもいくつかあるので、心配していた部分もあったのですが、予想以上にお客様も入ってくれてうれしいですね。手応えを感じています。
西本 自慢の手打ち麺ですが、お店によってもいろいろ持ち味があるかと思いますが?
山口 大手の製麺所で作ってもらっているお店もありますが、うちでは近くの町で契約している農家があって、そこで蕎麦粉作りをお願いしています。地元だからこそ、自分が「おいしい」と自信が持てるものを信頼して安心してお任せしています。麺は「つなぎ」は使わず、蕎麦粉と小麦粉と水のみを使っています。
西本 店内にはテーブル席が4つと小上がりもあって、ご家族連れのお客様も安心してご利用いただけますね。お酒の種類も充実していてお仕事帰りのお父さんにはうれしいかも♪営業時間はどのようになっていますか?
山口 お昼は11時30分から15時まで、休憩をはさんで17時から20時まで、となります。
西本 なるほど、でも20時閉店だと飲み足りないお客様もいらっしゃるかも…(笑)
山口 そうなんですよね、できればもう少し遅くまで営業したいんですけど、なにぶん仕込などで朝が早いもんですから…ゆとりができてきたら検討していきたいと思います。
西本 現在、お客様の評判も上々とのことですが、将来に向けてはどのような夢をお持ちですか?
山口 夢というほどではありませんが、この地元でお客様に親しまれながら地域に長く根付いていけたらいいなと思います。
西本 最後になりますが、読者の方へ向けてのメッセージなどいただけますか?
山口 この橋倉屋は我々夫婦とその両親とでやっているアットホームな蕎麦屋です。お客様の「おいしかった」の一言が聞きたくて毎日がんばっています。近くまで遊びに来られた際はぜひお立ち寄りください。従業員一同心よりお待ちしています。
■お店データ
そば処 橋倉屋
そば・うどん
埼玉県比企郡ときがわ町桃ノ木6-1
営業時間/11:30~15:00
17:00~20:00
定休日/水曜日(月・火曜夜お休み)