自分軸を見つけ輝かせる―駐在妻からライフキャリアコーチへ【Woman’s Life Up(ウーマンズライフアップ)】

専業主婦として海外での生活を送りつつ、働けない状況から自分自身の成長を模索。コーチングと出会い、人生の新たな道を開拓しました。ライフキャリアコーチとしての活動を通じ、同じようにキャリアに悩む女性たちに、自分らしい未来を見つけるサポートを提供。

滝沢 それでは早速、小塩奈緒さんをご紹介します。小塩さんは、ライフキャリアコーチ・キャリアコンサルタントとして活動をされています。今日はその活動についてお話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

小塩 よろしくお願いします。

滝沢 まず、こういったお仕事を始められるまでの経緯をお聞かせいただけますか?

小塩 そうですね、私は元々会社員で、IT企業に17年間勤めていて、システムエンジニアとして、また営業職としても働いていました。当時、子供が2人おりまして、2人目の産休・育休を経て仕事に復帰した半年後に夫の海外転勤が決まりました。夫も同じ会社でしたが、会社には休職制度がなかったので、仕事を続けるか辞めるかという大きな決断を迫られました。両親とも離れて暮らしていて、2人の子供を1人で育てながら働き続けるのは難しいと思い、悩んだ末に退職することにしました。

滝沢 なるほど。それがきっかけで海外生活が始まったんですね?

小塩 はい、シンガポールに家族で引っ越して、専業主婦となりました。もともと仕事が好きだったので、急に時間ができても何をしていいかわからなくなり、家での生活がストレスとなり、精神的に辛い時期がありました。夫も仕事で大変な時期だったので、私たち家族にとって最初の海外生活は非常にハードでした。なんとか良い方向に進みたいと思い、藁をもすがる思いで探してコーチングを受けることにしました。駐在妻向けのコーチングを提供しているコーチがいて、オンラインでセッションを受けました。そのコーチングが私にとって大きな転機となりました。

滝沢 コーチングがどのように役立ったのですか?

小塩 当時の私は、仕事をしていない自分は社会的に何の役にも立っていないと感じてしまっていました。しかし、コーチングを受けることで視点が変わり、自分に価値がないと感じていたことが、ただの思い込みだと気付かされました。専業主婦の期間を「充電期間」と捉え、これまでできなかったことに挑戦する時間だと前向きに考えられるようになりました。その結果、ボランティア活動を始めたり、以前から興味があった資格の勉強を始めたりしました。2年目からは現地の日本企業で週に3回働く機会も得て、充実した時間を過ごせるようになりました。

滝沢 コーチングを受けたことで、他にはどのような変化がありましたか?

小塩 コーチングを受けたことで、子育てに対する考え方も変わりました。日本では保育園に子供を預けていたので、急に子供と一緒に過ごす時間が増え、どう接していいかわからず、怒ってしまって自己嫌悪になっていました。でも、子育てに関するコーチングを受けてからは、子どもと一緒に居られる貴重な時間をもらえたと感じられるようになり、子育てが楽しくなりました。最初は自分がコーチになろうとは考えていなかったのですが、コーチングを学んでいく中で、資格を取得することに自然と導かれました。

滝沢 資格取得にはどれくらいの期間がかかりましたか?

小塩 私が取得したマザーズコーチ・ジャパンという団体のコーチ資格は、一度に取得するのではなく、段階的に講座を受けていく形式で、数ヶ月ごとに次の講座を受ける形でしたので、合計で1年弱くらいかかったと思います。

滝沢 資格を取得された後、どのような活動を始めたのですか?

小塩 最初はママ向けの子育て講座やコーチングセッションを始めました。自分が子育てに悩んでいた経験を活かして、同じように悩んでいる駐在妻の方々をサポートしたいと思ったからです。たくさんの方の話を聞く中で、駐在に帯同するという転機に伴い、私のようにキャリアについて悩んでいる駐在妻さんが多いことを目の当たりにし、キャリアに関するサポートもしたいと思うようになりました。そこで、自分のキャリアの棚卸しや強みを見つけて今後のキャリアのための自分軸を定めるオリジナルプログラムを作り、4回のグループ講座の形式で提供することにしました。この講座を通じて、駐在妻の方々が自分のやりたいことを見つけ、海外での生活、帰国後のキャリアを充実させていく力になりたいと思いました。

滝沢 それは素晴らしいですね!このプログラムはどのようにして広がっていったのですか?

小塩 オンラインで開催していて、これまで7期30名以上の駐在妻さんが参加してくれました。シンガポール・タイで駐在妻さん同士が交流できるお茶会を主催しており、その参加者がプログラムにも参加されたり、ブログやSNSの発信を見てブラジルや南アフリカなど他の国々に住む駐在妻の方々も参加されています。オンラインの利点は、場所を選ばずに活動ができること、世界中の方に機会を提供できることですね。

滝沢 帰国後も継続して活動されているんですね。

小塩 はい、帰国してからは、キャリアの分野での活動を強化したいと思い、キャリアコンサルタント国家資格を取得しようと決心しました。昨年、1年間勉強して無事に資格を取得し、個人事業主として開業いたしました。
滝沢 オンラインでの活動が中心であれば、どこにいてもサポートが可能ですね。
小塩 その通りです。オンラインであれば、場所に関係なく、世界中の方のサポートができますので、これからもこの形で活動を続けていきたいと思っています。

滝沢 最後に、今後の展望や目標について教えてください。

小塩 今後は、海外に帯同中の駐在妻さんだけでなく、これから渡航される方、既に帰国された元駐在妻さんも含めて、キャリアに悩む女性たちをサポートしていきたいと思っています。帰国後のご自身のキャリアに迷われる方も多いので、元駐在妻さん向けのキャリアリスタートプログラムも年内に提供を開始する予定です。また、数年後の目標としては法人向けにも働きかけて、海外転勤に帯同する家族のサポートプログラムを提供できないかと考えています。自分自身の経験を活かし、悩んでいる方々に少しでも前向きな気持ちを持っていただけるよう、これからも精進していきます。

滝沢 本日は貴重なお話をありがとうございました。

Woman’s Life Up(ウーマンズライフアップ)代表 小塩奈緒 Nao Oshio
IT企業に約17年間勤務。システムエンジニア・法人営業・事業企画等幅広く経験を積む。2017年より夫の赴任に伴い退職してシンガポールに帯同。初めての専業主婦として2児の子育て。コロナ禍の2020年にタイ・バンコクにスライド赴任。帯同中に取得した資格を活かしながら駐在妻さんサポート活動中。国家資格キャリアコンサルタント/マザーズコーチ講師/NLPコーチ/つむぎ学鑑定士
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駐在妻さん向け自分軸発見プログラム:https://womanslifeup.hp.peraichi.com/nao.chuzuma.support
キャリア鑑定付キャリアカウンセリング:https://womanslifeup.hp.peraichi.com/career.kantei

滝沢沙織

1999年にユニチカ水着キャンペーンガール選出され、2004年フジテレビドラマ「プライド」や「マルモのおきて」、テレビ朝日ドラマ「DOCTORS 最強の名医シリーズ」など数々のドラマ出演。また「秘密のケンミンSHOW」、「林修の今でしょ!講座」などのバラエティーでも活躍!NHKBSプレミアム「晴れ、ときどきファーム」レギュラー出演中!
インスタグラム:@saori_takizawa.official