毎月様々な論文が発表されたり、医師によっては話すことが微妙に違っていたりと、情報は豊富にあるけれどなかなか明確なものにたどりつけない…そんな医療の世界は果てしのない海のようなもの。航海に赴く患者さん達が行き先を見失わないためにはナビゲーターが必要なはず。「デンタルオフィスみなと」のスタッフ一同が羅針盤となって患者さん一人一人を安全に誘導します。
記者 とても歯医者さんと思えない建物の造りが目を惹きますね。開院されるまでの経緯などご説明いただけますか?
露木 私が歯学部を卒業後に、横浜市立大学の口腔外科に入局し、大学病院に7年間在籍後、静岡県内で勤務医を経て、ようやく2008年6月、開業にたどりつきました。
記者 どのようなきっかけで、先生は歯科医師を目指されたのでしょう?
露木 実は子供の頃に、虫歯でとても苦労したので、乳歯のうちに気をつけて一所懸命歯を磨くことにしたのです。永久歯になってからはほとんど虫歯も発見されず「虫歯は予防すれば防げるんだ」ということを強く実感しましたね。また、治療に使う薬の苦さや治療中に診察台で聞くタービンの音はすごく印象に残っているし、虫歯の痛みも十分知っています。だからこそ、虫歯にならない、させない歯科医院を作りたいと思ったのがきっかけです。
記者 開院にあたってのご苦労とかは?
露木 とにかく地域単位でみても歯科医院の数って多いんですね。そんな中で開業するわけですから、他とは違う特色を前面にアピールしていかないと地域の方には選んでいただけないかなと思いました。当院でいうなら、一般の歯科に加えて口腔外科を掲げている点、虫歯や歯周病になる前の予防に力を入れている点、歯科医院らしくない外観…というところでしょうか。
記者 本当に歯医者さんっぽくないですよね。何をイメージしたのですか?
露木 私が卒業した大学のある横浜、そしてここ沼津、この2つに共通するのが「港町」ということで、医院は船室をイメージしました。
記者 だからブルーが基調になっているのですね。治療方針についてはどのようにお考えですか?
露木 初診の方には必ずカウンセリングを行います。まずは名刺をお渡しして自己紹介ですね、それも真正面からの対面ではなく90°の角度で行います。面と向かうとこれから対決しそうな空気になりますでしょ?(笑)。
記者 患者さんに対して細かな気配りがなされていますよね。
露木 やっぱり患者さんには余計な不安感を抱かせないように、どんな人間が治療を行うのかというのは知っておいてもらった方がいいかなと。患者さんもいきなり診察台に座らされて、お医者さんが後から入ってきて覗き込みながら「こんにちは」って始められたら、もう後はされるがままというパターンが多いのではないかと。そうなると、治療後に「歯を抜かれてしまった」「削られてしまった」というような一方的な言われ方をされてしまいます(笑)。私の方針の一つとして、ここでは患者さんに必ずわかりやすい説明を行って、患者さんが「抜いてください」と言われないうちは、抜かないようにします。抜くことになったら、ワンクッション、自分の歯とお別れする時間をつくってあげたいと思いますね。
記者 自分の身体の一部を失うわけですものね。素敵な考えだと思います。こちらの歯科医院はまだできて間もないということで、設備も最新のものが取り入れられているそうですが?
露木 そうですね。おかげで最近は痛くない治療も可能になりました。私が学生だった頃に比べると機材も技術も格段に進歩しました。医学の10年は本当に目覚しいものがあります。昨日の常識が今日は使えなかったり、今日の常識だって明日になれば変わってしまう可能性が十分にあります。日進月歩の変化を常に見落とすことのないように、我々は様々な医療機関と連携をとって、不明な点は連絡・相談して補いながら新たな知識を身に付けていっているのです。
記者 今後も、患者さん側の立場から地域医療にご活躍されていくことと期待しています。最後に読者の方へメッセージをお願いできますか?
露木 はい、HPに「お口の健康相談室」を設けていますので、これから歯医者さんに行こうと考えている人や今、通っている歯医者さんには聞けない悩みなど、書き込むところから始められても結構です。痛くなってから来るのではなく、何でもない時に気軽に来られるような歯医者さんを目指していきます。
デンタルオフィスみなと
歯科口腔外科・歯科・小児歯科
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