ルーマニアと日本の懸け橋に~グローバルな料理教室と親子英会話教室~【スクタリウ朋子】

ルーマニア料理について、使用する素材や調理法について知っている日本人は少ないのでは!そこで主にルーマニアの一般の食卓に上る家庭料理を中心にした料理教室を主宰されているルーマニア料理研研究家でもあるスクタリウ朋子さん。

大西 ルーマニア料理教室と親子英会話教室は何がきっかけで始めたのですか?

スクタリウ ほぼ同時期に開始したのですが、ルーマニア人である夫と共にルーマニアに住んだことがきっかけです。ルーマニア料理が思いの他美味しく、日本でも広めたいと思い、30年間コックをしていた夫の叔母に料理を習いました。2010年に帰国し2011年から料理教室を開始しました。親子英会話教室に関しては、結婚前に子供に英語を教える資格を取得していたので、親子で参加可能な英語教室も始めました。

大西 そうだったのですね!あまりルーマニアについて知らないのですが、ルーマニアについて教えてください!

スクタリウ ルーマニアは東欧に位置しています。元々は”ローマ人の”という意味で、祖先はローマ人です。東欧というと、共産圏の暗いイメージがありますが、ルーマニア人は、ローマのラテン系の血を引くこともあり、ラテン的で開放的な性格の人も多いです。

大西 そうなんですね!ルーマニア人がラテン的とは知りませんでした!料理や食文化についても詳しく知りたいです!

スクタリウ ルーマニアでは宗教の関係上、お肉を食べれない期間があり、その時に食べる完全菜食主義者向けの「ビーガン料理」が特徴的です。また、寒い国なので、煮込み料理も多いですね。食文化もトマトをたくさん使うなど、ローマと似通う部分も多くあります。またオリーブオイルをたくさん使ったり、イタリア料理のようなところもあります。

大西結花大西 それは、ルーマニアがだいぶ近く感じます。ルーマニアは想像し難いですが、イタリア料理は簡単に想像できるので、ルーマニアが格段に近く感じました。

スクタリウ 日本だと、味噌や麹などがありますが、ルーマニアにはボルシュという小麦を発酵させた飲料を必ずスープの中に入れて飲みます。チョルバというスープがルーマニア人にとってはそれが健康法のひとつで発酵食品を毎日口にする習慣がありますね。

大西 ものは違っていても、日本と似た文化を持っているんですね。昭和の古き良き日本の文化をルーマニアに感じます。そして今、逆に日本は戻りつつありますよね、健康食品が意識されていますよね。

スクタリウ ルーマニアは昔からずっとそうなので、チャウシスクの独裁政権が崩壊するまでは、戦後30年間は配給制だったんですよ。ものが無い時代だったので、作れるものはなんでも自分たちで作ろうという文化が生まれたんでしょうね。今簡単にものが手に入る時代ではありますが、それでもルーマニアの人々は自分たちで自分たちのものを作る習慣が強く残っています。

大西 なるほど。ヨーロッパでは料理にしても、家庭で代々受け継ぐ習慣があるんですね。

スクタリウ また、あまり知られていないのですが、ワインの消費量も世界で7位で、食事でも必ずワインを飲む習慣があるんですよ。ルーマニアは、良質なブドウが獲れることもあり、ワインも自分たちで作る人が多いんですよ!そして、添加物も気にする人が多く、無添加にこだわる国民性です。

大西 本当ですか!日本は衛生面に関しては、重視するのですが、食品の添加物に対する意識が低い傾向にありますね。ルーマニアは安全面に関してはオーガニックにこだわるなど、添加物を料理にできるだけ入れないように気を付けていて、この点は日本も見習うべきかもしれないですね。ここまで丁寧にご説明ありがとうございました。しかし日本ではまだ、ルーマニア料理について知られていない部分が多いと思いますが、料理教室をどのように広めているのですか?

スクタリウ 2019年で料理教室開講から8年目でこれまで750名の方にルーマニアの食文化を紹介してきました。ルーマニアは日本ではあまり馴染みのないことから、ルーマニア料理と聞いても想像がつかない人が多いので、写真と料理の説明などを付け加えることで関心を持ってもらえるように工夫しました。しかし、一度足を運んでもらい料理を食べてもらうと、多くの方に気に入ってもらい、リピーターになってくださるお客様も多いですね。更にありがたいことに、行政のほうで食育講座という形でお声がけいただくこともあり、ここから更に活動の輪が広がっていきました。また、国内だけでなく2018年にはオーストラリアでオーストラリア産のオーガニック食材、調味料を用いてルーマニア料理を作る会を開催しました。オーストラリアの方もルーマニア料理を食べたことがない方がほとんどだったので、皆さん大変興味を持っていただき沢山の方が参加してくださいました。

大西 一度食べれば病みつきですね。スクタリウさんのお仕事はまさに、日本とルーマニアの文化の懸け橋と言えますね。普段はどのような場所で料理教室を開いているのですか?

スクタリウ 行政がサポートしているレンタルスペースなどを使ったり、地域を盛り上げたい、地元に根付いた活動をしたいという気持ちから、地元の食材を生かす努力をしています。メニューは基本的に、メイン、サラダ、スープ、デザートを考え、参加者の方が、ご自宅に戻ってからも簡単に作れる料理を提案しています。

大西 なるほど。簡単に作れて、日本人の口にも合うのがルーマニア料理なのですね。

スクタリウ そうなんです!最近では英語で料理教室をすることもあり、英会話とルーマニア料理教室をミックスさせている感じですね。

大西 すごいですね!親子英会話教室のお話も詳しく聞かせてください。

スクタリウ 英会話教室は基本的にはお子さんの学習がメインなのですが、単なる英会話教室と異なり、親が子どもに一方的に英語学習を促すのではなく、親子で参加することで、英語を楽しみながら効率よく学ぶことができると考えています。

大西 親子で楽しめて、英語も身につくなんて素晴らしいですね!料理教室、英会話教室の申し込みはホームページから可能でしょうか?

スクタリウ もちろんです。ホームページから活動の詳細がご覧いただけますので、こちらからお申し込みください。

■スクールデータ
ルーマニア料理教室・親子英会話教室 スクタリウ朋子
場所:東京都練馬区南大泉3-19-17(練馬教室)・他各イベント会場など
アクセス:西武池袋線 保谷駅から、徒歩3分。
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