手足の冷えは内臓機能の低下が大きく影響しているという。そこで「ひえぬき療法」により施術をしてきた「よこ山鍼灸院・横山均整院」の院長が実践してきた技術を、全国の鍼灸師の方に学んでいただきたいと澤田流鍼灸理論を教える『ひえぬき療法を学ぶ会』を始めたいと思います。
上原 よこ山鍼灸院・横山均整院さんを始めるまでの先生の歩みを教えてください。
横山 昭和48年に山梨県庁に入庁しまして、行政職をしていましたが、祖父の影響もあり手技療法の世界に入りました。
上原 公務員から転職されたんですね。県庁には何年ぐらいお勤めに?
横山 18年間です。それから祖父が県内でカイロプラクターとして施術や後進の指導にあたっていたこともあり、平成4年に姿勢保健均整専門学校を卒業しました。そこでは均整術といいますが、手技による体型調整で健康を図る技術を習得しました。
上原 色々な症状を訴えて来院される患者様も多いと思いますが。
横山 開業してからすぐに壁にぶっかりました。開業したのが平成4年でしたが3年位悩みましたね。その時に以前購入していた鍼灸の名人といわれた澤田健先生について書かれた澤田流鍼灸理論の本で「鍼灸真髄」を読んでから、今まで悩んでいた事が一つひとつ解消して行きました。
上原 とてもいいタイミングで人生を変える本に出会われたんですね。
横山 はい。しかし当時は鍼灸師の資格はもっていませんでしたので、鍼灸のポイントを手技で行える施術法を模索、研究し「KY法」「三焦リンパポンプ法」として実践し、商標登録も行いました。手技で澤田流を実践し多くの成果が上がりました。しかし、もっともっと澤田鍼灸理論を深めるため、現代鍼灸を学び、鍼灸師の国家資格を取得しました。
上原 整体師さんとしても十分なキャリアを重ねてきたのに、さらなるキャリアアップですね。
横山 大切なお客様のお身体を施術させていただくのですから、知識や技術は絶えず学ばないといけないですね。今は京都にある明治国際医療大学の大学院にも通っています。施術を受けた方が確かな効果を感じられても医学的なエビデンスが確立されていないと認められないのが今の世の中です。なので、澤田流鍼灸理論の研究をし、その有効性を論文で発表したいと思っております。
上原 現在は「冷え症」について力を入れているそうですが、私も手足がいつも冷えている状態で、なるべく身体を冷やさないようにと厚着をしたりしますが、いつものぼせたような状態なんです。
横山 冷えのぼせの状態ですね。冷えはいったん入ると温めれば治ると皆さん思われている方が多いんですが、そうではないんですよ。特に臓器に冷えが入ってしまった場合は機能低下を起こしている状態ですので、臓器の機能を上げてあげないと、なかなか冷えは抜けないんです。手足を温めても冷えが治らないというのはそのためです。
上原 冷えに対して先生の療法は?
横山 澤田流鍼灸理論によって、五臓六腑の機能を上げてあげることを中心にしたのが「ひえぬき療法」でして、全国より冷え症でお悩みの方が来院されています。なかなか言葉で説明することは難しいですが、機能の落ちている臓器の働きを上げてあげるという「機能向上」に特化した療法です。これによって免疫力をアップしていく療法です。
上原 これから、澤田流鍼灸理論を広める為に、『ひえぬき療法を学ぶ会』をされるそうですが、どのような活動をされる予定ですか?
横山 そうですね。後進の指導が中心になります。今は専門学校を出て国家資格を取得しても自信を持って治療が出来ない鍼灸師が増えています。「澤田流鍼灸」について学んでいただいて、名人、澤田健先生の治療に近づく事を目指し指導してまいります。私の澤田流鍼灸理論の臨床研究は、平成7年から23年間継続して携わり今に至っています。私は、澤田流鍼灸をより良い形で後世に残してゆきたいと思っています。
▪️データ
よこ山鍼灸院・横山均整院
〒406-0821 山梨県笛吹市八代町北1432-1
Tel.055-265-2772
公式サイト