東京・稲城市の「TOKYO GIANTS TOWN(東京ジャイアンツタウン)」に、2027年夏、新たな水族館「東京よみうり水族館」が誕生する。読売新聞東京本社、読売巨人軍、よみうりランドの3社が共同開発を進める同施設は、野球場と一体化した全国でも珍しい本格的な水族館。約350種・4万点の生きものを展示するほか、海中トンネルや多摩川の自然を再現した展示など、見どころの多い施設となる。
2025年3月に先行オープンした「ジャイアンツタウンスタジアム」に加え、水族館と飲食施設が開業することで、スポーツと自然、食が融合する新たなレジャーエリアが本格始動する。
約350種・4万点の生きものと出会う本格水族館
東京よみうり水族館は、人工海水を使用する内陸型の水族館。地下1階、地上3階建てで、屋外展示を含む施設面積は約9,874平方メートルに及ぶ。
掲げるコンセプトは「生きものの世界を人が訪れ、同じ時間を共に過ごす」。地域の象徴である多摩川から海へ、さらに浅瀬から深海へとつながる水の物語を軸に、館内を巡りながら多様な生態系に触れられる構成となっている。
エントランスではコツメカワウソがお出迎え。館内はペンギンやクラゲなど10のエリアで構成され、水草を展示する水槽としては極めて長い約30メートルの「ウォーターガーデン」も登場する。
さらに、よみうりランド遊園地から移住したアシカたちがアザラシとともに暮らす、約300平方メートルの「アシカの楽園」も見どころの一つ。広々とした展示空間で、生きものたちの自然な姿を間近に観察できる。
深海・太古エリアでは、1967年にフランス政府から寄贈され、日本で初めて公開されたシーラカンスの標本も展示される予定だ。
最大の見どころはサンゴの海を歩く海中トンネル
施設の目玉として注目されるのが、サンゴの海をテーマにした大水槽だ。
高さ約7メートル、幅約13メートル、水量約1,300トンという大規模な水槽の中には、360度に海の景色が広がる透明な海中トンネルを設置。来館者は水槽の中を歩くような感覚で、海の生きものたちを観察できる。
水槽内には、浅瀬から急激に深くなる地形「ドロップオフ」を再現。地形の変化によって多様な生きものが集まる豊かな海の環境を表現する。
また、トンネルの入口にはアクリルドームを設け、視界いっぱいに海中の景色が広がる没入型の空間を演出する。
この大水槽に使用する巨大アクリル板は、2026年5~6月に搬入された。高さ約8メートル、幅約3メートル、重さ16トンを超える大型設備で、クレーンで吊り上げて建物内へ慎重に運び込まれたという。水族館の建設工事は2026年10月時点で約6割まで進んでおり、今後は水質や生きものの飼育環境を整えるための試験運用が行われる。
サンゴの保全にも取り組む「海のゆりかご」展示
美しい海を再現するだけでなく、環境保全について学べる展示にも力を入れる。
サンゴ礁は多くの海洋生物を育むことから「海のゆりかご」と呼ばれているが、近年は地球温暖化による海水温の上昇などを背景に、大規模な白化現象やサンゴ礁の減少が問題となっている。
よみうりランドは、沖縄県国頭村、国頭漁業協同組合とサンゴ礁の保全などを目的とした包括連携協定を締結。水族館では、国頭村で養殖されたサンゴを大水槽に併設する水槽で展示し、来館者に保全の大切さを伝える啓発活動も行う。
楽しみながら海の環境について考えることができる点も、同施設の特徴となりそうだ。

野球場と水族館がつながる全国でも珍しい施設
東京よみうり水族館の大きな特徴は、ジャイアンツタウンスタジアムと一体化していること。
水族館はスタジアムのレフトスタンド後方に位置し、有料イベントが開催されていない時間帯には、両施設を自由に行き来できる設計となっている。
両施設を結ぶキーワードは「多摩川」。スタジアムは、1955年から1998年まで読売巨人軍の専用球場として使用されていた「多摩川グラウンド」をイメージしている。
当時の球場では、ファンが選手に気軽に声を掛けられる親しみやすい雰囲気があった。その空気感を再現するため、スタンドの座席数をあえて抑え、グラウンドとの距離を近づけている。
さらに、スタジアム2階には、多摩川の土手をイメージした全長527メートルのコンコースを整備。この通路が水族館2階のエントランスへと続いており、野球場と水族館を自然につなぐ回遊動線となっている。

多摩川の自然を再現した屋外展示とカフェ
水族館の3階には「多摩川エリア」を設置。屋外ではアユなど、多摩川に生息する生きものを展示するほか、川の支流をイメージしたせせらぎを設け、水中に暮らす生きものを探す体験も楽しめる。
屋内にはカフェを併設し、スタジアムを一望できる開放的な空間を用意する。
また、屋外の「アシカの楽園」には、高さ約5メートルのアシカのオブジェを設置。鼻先に野球ボールを乗せたデザインで、野球と水族館の融合を象徴するシンボルとなる。
スタジアムの大型ビジョンで水族館の生きものの様子をライブ放映するなど、両施設の連携企画も予定されている。
野球観戦の前後に水族館を楽しんだり、水族館を巡ってからスタジアムでイベントを満喫したりと、これまでにない楽しみ方が広がりそうだ。
飲食施設「G-TOWN TABLE」も同時オープン
水族館の開業に合わせて、3階建ての飲食施設「G-TOWN TABLE」も営業を開始する。
延床面積は約3,249平方メートル。水族館とは道路をまたぐ歩行者用ブリッジで直結され、スタジアムを含めた3施設をスムーズに行き来できる。
コンセプトは「アウトスタンド」。心地よい風が通り抜ける開放的な空間で、建物からは球場や周辺の街並みを眺めることができる。
1階にはベーカリーカフェなど、2階にはフードホールなど、3階には専門店を配置。さらに屋上も一般開放される予定だ。
施設利用者だけでなく、地域住民も気軽に立ち寄れる飲食スポットとして、エリア全体のにぎわいづくりを担う。

スポーツと自然、エンターテインメントが融合する新しい街へ
東京ジャイアンツタウンは、読売新聞東京本社、読売巨人軍、よみうりランドの3社が、東京都稲城市のよみうりランド遊園地に隣接する約7万6,000平方メートルの敷地で開発を進める複合レジャーエリアだ。
「GROWING GOOD!」をコンセプトに、スポーツやエンターテインメントを通じて地域とともに成長する街づくりを目指している。
周辺には、よみうりランド遊園地やポケパーク カントー、フラワーパーク「HANA・BIYORI」、温泉施設「花景の湯」、東京よみうりカントリークラブなど、多彩なレジャー施設が集まる。
2027年夏の東京よみうり水族館とG-TOWN TABLEの開業によって、野球観戦だけにとどまらない新たな楽しみ方が加わる東京ジャイアンツタウン。生きものとの出会い、海の世界への没入体験、スポーツ観戦、グルメを一度に楽しめる新たな観光スポットとして注目を集めそうだ。

【施設概要】
■東京よみうり水族館
開業予定:2027年夏
所在地:東京都稲城市(東京ジャイアンツタウン内)
構造:地下1階・地上3階建て
施設面積:約9,874平方メートル(屋外展示を含む)
展示予定:約350種・4万点
主な展示:ウォーターガーデン、アシカの楽園、海中トンネル、多摩川エリア、深海・太古エリア
■G-TOWN TABLE
開業予定:2027年夏
構造:地上3階建て
延床面積:約3,249平方メートル
施設構成:ベーカリーカフェ、フードホール、専門店、屋上など
※開業日、営業時間、入館料金などの詳細は今後発表予定。



